二重の巨額税金を解消したいと思い悩む市井の人々

2011.10.21

個人の地主や遊休地を抱える企業など需要家側にも、土地信託をすぐに受け入れる素地があった。政府・自民党と信託銀行が育て上げた土地信託という麹菌を、ちょっと入れれば、たちまちのうちに繁殖する麹床が醸し出される状況ができていたのである。そうした状況は、むしろ、政府・自民党の長い間の政権が生み出したものである。すなわち、財政赤字が長い間続いてきたことから税制の抜本的改善が行われず、所得税や相続税、固定資産税などの税率が、地価の安い時代のまま続いている。

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このため、土地を持っている人にとって、現在の税率が大きな負担となってきた。親から受け継いだ土地でも、地価の急上昇で多額の固定資産税を払わねばならない。それがいやなら、土地を売ることになるが、売れば売れたで土地代の大半を所得税で持っていかれる。また、相続となった場合も同様で、多額の相続税を取られる。相続税を納めるために土地を売れば多額の所得税を取られ、二重に巨額の税金を納めねばならず、それを考えただけで自殺者が出るほどになっている。大地主が窮した悩みを持っているのではなく、都市部の零細地主が持っているもので、その大半はサラリーマンか中小企業経営者。彼らは「何とかして土地を活用し、せめて税金分だけでも収入を得られないか」と、考えていたところであった。遊休地を持つ企業にとっても、その活用が急務となってきた。低成長時代の到来で合理化を進めてもゾウキンをしぼるようなもので限界があった。倉庫や不要な工場を整理しその跡地を有効利用すれば、それだけ利益が上がる。しかし、その開発資金を銀行から借りると、借入金ばかりが急増してしまう。土地信託は、こうした企業の合理化に役立つものであった。麹菌と麹床に加えて、麹室の温度と湿度が上がっていたことも、土地信託を急浮上させた背景である。