テラスに延び広がる暮らし「ダイニングテラスのある家」

2011.12.16

歳月撮影に立ち会うため久し振りに訪れると、竣工当時は頼りなげだった樹木も茂みを広げ、その影が風雨の痕跡によって質感の落ち着いた外壁に投げかけられて、4年の歳月がこの建物に蓄えてくれた表情の豊かきを感じた。簡単な打ち合わせを終えてカメラマンが仕事を始め、私がほとんど用無しになると、遅く起き出してきたMさんがコーヒーを入れてくれ、夫人とともにテラスのテーブルを囲んだ。秋の午前の時間がゆっくりと流れた。この住まいの焦点はテラスにある。

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設計に際してMさんが最初に出した要望の1つは「外でメシ食いたいですねえ」ということだった。その言葉に応えたテラスは最初から構想の中心で、平面の細部は設計の過程でいろいろ変おったが、厨房十食堂と居間で囲まれたテラスの配置は動かなかった。床は防腐剤を加圧注入した木材で仕上げられ、乾いていれば履物なしで出ることができる。この材についてメーカーは「20年保証」と称しているから、話半分として聞いても10年は大丈夫であろう。しかしまた、木陰になって雨に濡れることが多い場所は部分的に早く腐蝕することも考えられるので、テラスの床は約三尺角、つまり畳半畳の単位に分割され、鉄筋コンクリートの下地の上に敷き詰めて置かれている。つまり1部が腐蝕すれば、その半畳分の床を取り外して交換すればいいわけだ。食事の場となるベンチやテーブル、近隣の視線を柔らかく遮る囲いなども同じ材料でつくられている。