「客観的要件」はこうして切り捨てられた

2011.11.18

法制審議会は、法務大臣に任命された二〇人の委員で構成されている。法務大臣の諮問に応じて民事法、刑事法その他の法務に関する基本的な事項を調査審議する機関だ。法制審の答申は法改正に大きな影響を及ぼす。この国の法制審の議題は、円滑化法の成立に連動して区分所有法の「客観的要件」をいかに合理的で明快なものにするか、であった。再築と修繕を比べた「過分の費用」、あるいは「築後三〇年以上」などが要件として議論され、その内容を詰めようとしていた。

[参考]
JR総武線(稲毛)の新築マンション一覧
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薩摩川内市の中古一戸建て一覧
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年末の国会での法改正まで残された時間は少ない。法制審の委員たちはただならぬ気配を感じながら、ステンドグラスに真夏の太陽が照りつける法曹会館へと入っていった。黒塗りのクルマが横づけされ、参考人が降りてきた。専門家と、政策研究大学院大学教授だった。教授は総合規制改革会議の開発分野の専門委員である。専門家は、法曹界、実業界から集まった委員を前に独特の甲高い声で口火を切った。「本日は、総合規制改革会議が、なぜマンション建て替え要件を『五分の四のみ』とする必要があると考えているか、ご説明したいと思います」専門家は、いきなり「客観的用件を切り捨てる」と自説を展開する。「五分の四、すなわち八〇%もの人が賛成するということは、現状維持の利益と、建て替え利益を比べて、建て替えのほうが大きいと考える人が八割を占めたということになります。こういう場合には、五分の四の多数決そのものをもって、建て替えの利益が維持利益を上回るという蓋然性(確からしさ)が高いといえます」断片は「過分の使用」「築後一〇年以上」などの要件を鋭く批判した。「マイカーを買い換えるときに、たとえば乗車年数が一〇年未満なら買い換えてはならない。あるいは、いま乗っている非常に古い中古車の修理費用が、現在価格の三分の一以下なら買い換えてはならない。こういう規制を設けるのと同じことです」